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横浜市中途障害者地域活動センター

ほどがやカルガモの会

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散歩のついでに8

生カズ

相鉄バスが坂道を登り始めると突然車内放送が男の人の声に代わって「こんにちは、横浜FC 三浦知良です。次は横浜FCクラブハウス前です。横浜FC クラブハウス前です。次止まります」。そう、カズの声が流れるのです。
相鉄バス系統16番の停留所名が昨年12月に変更されたのです。それまでは「浄水場裏」という、いかにも地味な名前でした。停留所名が変更されたのと同時に停留所の表示版や屋根もライトブルーの横浜FCカラーに模様替え、明るい雰囲気になりました。
 クラブハウスには選手の健康管理を行うための施設もあり、サッカー場が2面、ここで練習が行われます。また、近隣の少年、少女サッカーチームの練習にも使われています。

私たちカルガモの会でもお世話になっている年に1回行われるグランドゴルフ大会がこちらで行われます。覚えていらっしゃる方もいるかと思います。以前メンバーが賞状とか貰っていました。
 じつはこの時、引率で行っていた所長の菊池さんが生のカズを見たそうです。つまり、「生カズ」です。「カズが眼の前を通り過ぎたのよ」、と嬉しそうにその時の話をしてくれました。

実は私も「生カズ」を見たことがあります。「ドーハの悲劇」と言っても若い人は知らないと思います。今から28年前、(もう28年も昔!)1993年(平成5年)10月に中東カタールで行われたサッカーのアジア2次予選最終戦日本対イラクの試合。日本はロスタイムまで2-1で勝っていたのですが、最後の最後にゴールを決められ同点、得失点差でアメリカで行われたワールドカップの本戦行きを逃したのです。当時、旅行会社に勤めていた私は期間中ドーハに滞在してこの試合をまさに日本のゴール裏に近いところで見ていたのです。
点が入った瞬間カラーの映像が白黒に変わり、選手たちがまるで銃で撃たれたようにグランド上に倒れました。すこし経って倒れた選手を抱きかかえる日本のオフト監督・・
 翌朝、ホテルのロビーで眼を真っ赤にした(と思った・・)カズが報道陣に囲まれている姿をチラッと見たのが印象に残っています。

カズは現在54才。そして、今なおグランドに立ち続けています。

カルガモの会の隣に「星川町」のバス停があります。通い始めた頃、バス停に並んでいる小学3年生の男の子と知り合いになりました。系統16番に乗って、横浜FC のグランドにサッカーの練習に向かうのです。礼儀正しい子でした。最近遇わないけれど、元気かな・・カズとドーハの話、しておけばよかったかな・・・

横浜、和田町方面のバス停。屋根や表示板が 新しくなった。
右の白い建物がクラブハウス。正面の坂道がグランドへ向かう。
入口にある案内坂。
西原住宅、新桜ヶ丘団地方面バス停。

(写真・文:大場 由隆)